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再び注目されている福利厚生 従業員への社宅・寮の貸付け

「社宅・寮」の戸数が増えてきている!?


最近、福利厚生として「社宅・寮」が再評価されているようです。総務省が5年ごとに行っている「住宅・土地統計調査」によれば、2023年の「給与住宅」(会社の社宅・寮)の戸数は約130万戸(前回調査の2018年から約18%増)とのこと。ピークであった1993年の約205万戸の2分の1まで減少していましたが、30年ぶりの増加となりました。「人材確保」「定着強化」に本腰を入れてきた会社が増え始めてきたのかもしれません。


従業員に社宅・寮を貸したとき

会社が、福利厚生の一環として、従業員に社宅・寮の貸付けを行った場合には、会社が従業員から1か月当たり一定の家賃(次の「賃貸料相当額」の50%以上)を受け取っていれば、従業員は、その経済的利益について、給与として課税されません。


<賃貸料相当額> 次の金額の合計額

 1.その年度の社宅等(建物)の 固定資産税の課税標準額×0.2%

 2.12円×社宅等(建物)の総床面積(㎡)/3.3㎡

 3.その年度の社宅等の敷地の 固定資産税の課税標準額×0.22%


この計算による「賃貸料相当額」は、相場の家賃よりも、かなり割安な金額が算出されますので、従業員側もメリットが感じられるものになります(ただし、従業員が直接契約している場合は、社宅の貸与とは認められません。会社が契約を行う必要があります)。また、自社で保有する社宅・寮を貸与するケースに限らず、他から借りて貸与するケース(借上げ社宅)でも、この計算による「賃貸料相当額」となります。そのため、借上げ社宅のケースであっても、貸主や社宅等の所在する市町村に、固定資産税の課税標準額を確認する必要があります。


具体例(賃貸料相当額が5万円の場合)

例えば、「賃貸料相当額」が5万円と算出される場合、次のように取り扱われます。


 ⑴ 従業員から家賃を受け取らない場合

    賃貸料相当額5万円が給与課税されます。

 ⑵ 従業員から家賃2万円を受け取る場合

    3万円(賃貸料相当額5万円-受取家賃2万円)が給与として課税されます。

 ⑶ 従業員から家賃3万円を受け取る場合

    課税されません(賃貸料相当額5万円の50%である2.5万円以上の家賃受取あり)。

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